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Excel VBAで配列の開始要素番号を「1」に統一するべき理由

 今回の記事では、VBAを使う際に、配列の開始要素番号を「1」に統一すべき理由について説明します。本ブログでは配列処理に関する汎用プロシージャをいくつか紹介していく予定ですが、その前提情報として一読いただけると助かります。

Excel VBAで配列の開始要素番号を「1」に統一するべき理由


配列の開始要素番号の基本

 VBAでは、配列の開始要素番号は「0」または「1」のどちらかになります。たとえば、Option Baseステートメントや配列の生成方法によって、どちらの形式が採用されるかが変わります。以下がその例です:

  • 0開始: Option Base 0を指定した場合、またはデフォルト(Option Baseの指定がない場合)

  • 1開始: Option Base 1を明示的に指定した場合(関数等による)

  • セルの値: Range.Valueを使った場合、配列は1開始で返される

 この違いがコードの可読性や保守性にどのような影響を与えるのかも含めて、なぜ1開始で統一すべきかを以下で具体的に見ていきましょう。


理由1: 1開始は直感的で分かりやすい

 配列の要素番号を「1」に統一すると、人間が直感的に理解しやすくなります。Excelのセルやデータリストの感覚と一致するため、「最初の要素は1番目」と考えやすく、コードを読む人にも親しみやすい形式です。

 一方で、0開始の場合は混乱が生じやすくなります。

例:

  • インデックス「0」の要素が「1つ目の要素」に相当

  • インデックス「9」の要素が「10個目の要素」に相当

 このようなズレを考慮する必要があるため、特に初心者にとっては理解しにくいコードになります。1開始に統一すれば、こうした混乱を避けることができます。


理由2: 一貫性のあるコードが書ける

 VBAでは、SplitやArray関数で生成される配列はデフォルトで0開始ですが、ExcelのRange.Valueで返される配列は1開始です。このような違いが混在する場合、コード全体で一貫性が失われ、人が理解しづらくなります。

 一貫性を保つために、配列が0開始でもApplication.Transpose関数やWorksheetFunction.Transposeを使えば簡単に1開始の配列に変換できます。以下のように、変換処理を通じて統一した形式を使うことで、より直感的で保守性の高いコードが書けます。


 ↓Application.Transposeの実行テスト


理由3: エラーを減らし保守性を向上

 0開始の配列を使用すると、インデックスのズレによるエラーが発生しやすくなります。たとえば、「3番目の要素」を操作する際、0開始の場合はインデックス「2」を指定しなければならず、初心者には間違えやすいポイントです。また、インデックスと「何番目」「何個目」という単位が混在するため、コードを読むたびにそれぞれの意味を確認しながら作業を進める必要があります。これにより、理解やデバッグの負担が大きくなりがちです。1開始で統一すれば、インデックスのズレを意識する必要がなくなり、エラーを大幅に減らせるだけでなく、コードの読みやすさも向上します。


理由4: 汎用プロシージャを簡潔に書ける

 配列を扱う汎用プロシージャを作成する際、1開始に統一することで、条件分岐や特別な処理を省略できます。これにより、コードがシンプルになり、メンテナンスが容易になります。1開始で統一されていれば、このようなプロシージャがさらに読みやすくなります。

 実際に私のほうで使用している汎用プロシージャは本ブログにていろいろ紹介していく予定です。


結論

 配列の開始要素番号を「1」に統一することで、コードの可読性、保守性、そしてエラーの防止につながります。特に、Excelのデータ操作との親和性を考慮すると、1開始が最適な選択肢です。初心者にも直感的に理解できる形式であり、より効率的なVBAプログラムの構築を可能にします。

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